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メディカルフィットネスを開業するメリットmerit
メディカルフィットネスを開業するメリットの1つは、他のフィットネスクラブ等との差別化を図れる点です。医療的要素を取り入れたプログラムを提供するため、利用者の方々に「安心・安全・効果的」という付加価値をもたらします。また、メディカルフィットネス開業には、その他にも運営側、地域社会、利用者側においても様々なメリットがあります。
一般のフィットネスジムとの違いと差別化
メディカルフィットネスは、医療機関との連携や専門知識のある有資格者による指導が行えるため、運動が苦手な方や体調に不安がある方にも安心・安全・効果的なサービスを提供できます。
■人口に対するフィットネス参加率
Fitness Business 日・米・英の民間フィットネスクラブ産業市場データより
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/28
国際的なフィットネス協会であるIHRSAが調査した『GLOBAL REPORT』によると、2018年の人口に対するフィットネス参加率(フィットネスジムやスポーツクラブに通っている人の割合)は、アメリカ 20.8%、イギリス 14.9%に対し、日本はなんと4.1%でした。
日本のフィットネス不参加の約96%のうち、運動が苦手な方やジムに行くのが不安な方の割合も多いはずです。その人たちはメディカルフィットネスの明確なターゲットであり、市場は大きいと言えるでしょう。
国民の健康格差を是正するためには、運動に苦手意識を持っている方々にこそ、メディカルフィットネスのサービスを届けるべきだと考えられます。そして、一般的なスポーツジムに通う方が目的としている体力増進、ダイエット、理想的な体づくりに関しても、メディカルフィットネスではより効果的な指導が可能です。
メディカルフィットネスの中でも、厚生労働大臣認定「健康増進施設」として認定された後に申請可能な「指定運動療法施設」については、施設の利用料が「医療費」とみなされるため、医療費控除の対象として確定申告時に申請することが可能です。(一定の条件を満たす必要があります)。
実際には、利用者側は金銭的なメリットに感じているというよりも「施設の利用料が医療費とみなされる」という事実から、「医療的な指導が受けられる」ことへの安心感・信頼感により価値を見出しています。この点が、差別化要因としては有効な場合が多いため、厚労省の認定・指定を受けることは、施設のプロモーションにも活かせます。
これらは、メディカルフィットネスの差別化要素の一部でしかありません。メディカルフィットネスナビ(メディナビ)では、運営母体ごとの一般的なフィットネスジムとの差別化や、運営母体側の業界内での差別化についても別記事で発信します。
既存事業との補完関係
病院やクリニックと運営する42条施設(疾病予防運動施設)、介護施設と運営するメディカルフィットネスの間では補完関係の構築が期待できます。例えば、病院の患者さんや施設利用者の方はメディカルフィットネスに通うこともあれば、メディカルフィットネスを利用する方が何かの不調があった際に医療機関や介護施設に罹ることもあるでしょう。
また、自治体の場合は地域の医療介護費削減、各種データの取得が期待でき、一般企業では、メディカルフィットネスに参入することでのCSR活動としての企業イメージアップ、本業との相乗効果などが考えられます。いずれも実現のためには、利用する方に良いサービスを提供し、信頼関係を作り上げることが不可欠です。
地域貢献と外部収入
メディカルフィットネスは医療連携のもと、運動が苦手な方、そして健康のために運動が必要な方にも安心・安全・効果的なサービスを提供できます。そのため、地域全体の健康を底上げし、健康寿命延伸に貢献することが期待できるのです。また、メディカルフィットネスが起点となることで地域住民のコミュニティづくりの一翼を担ったり、雇用創出にも寄与したりすることでも地域貢献につながります。
このように、メディカルフィットネスが地域の活性化という社会的意義の大きな事業であることは、運営母体としてもしっかりと認識することが重要です。
また、学校・企業・介護施設などへの出張指導、アスリートのパフォーマンス向上のための指導、地域のスポーツ振興など、施設外での活動でもメディカルフィットネス施設の人材の活躍が期待できるため、施設外の収入も見込めます。
メディカルフィットネスの収益化monetize
ここまで、メディカルフィットネスのメリットを述べてきましたが、実は現状では経営が軌道に乗っているメディカルフィットネス施設はあまり多くありません。医療機関が運営する42条施設(疾病予防運動施設)においては、特にその傾向が顕著です。ではなぜメディカルフィットネスが収益化に苦戦しているのでしょうか。そして、メディカルフィットネスの収益化(黒字化)において重要となるポイントについて紹介します(世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響については、別記事にてお伝えします)。
メディカルフィットネスならではの弱点
多くの利点があるメディカルフィットネスですが、その一方でもちろん弱点もあります。メディカルフィットネスの立上げ・運営をスムーズに行うためにも、代表的なウィークポイントを理解しておきましょう。
弱点1:手続きが面倒
医療機関がメディカルフィットネスを導入するには、医療法42条施設(疾病予防施設)の申請、定款変更など多くの手間がかかるうえに書類作成が必要です。また、厚生労働省の健康増進施設認定を取得する際も同様に、準備や書類作成に多くの時間が割かれます。また、施工が進んでから認定要件に対して問題が発覚する場合もあり、事前の正しい情報のもとでの準備が大切です。
運営母体の担当者にとっては、施設の開業準備で多忙な日々を送るなか、こうした手続きが原因で他の大切な業務に集中できなかったり、認定の取得にあたり後手になってしまったりするケースも見られます。
弱点2:明確な事業化計画の作成が困難
メディカルフィットネスの開業を検討している方に対して、「メディカルフィットネスをなぜやるのか、何のためにやるのか、誰に、何を、どのように提供するのか」という質問をしたとしたら明確に言語化できるでしょうか。一見すると、収益とは関係がないように思えますが、これはすべての新規事業には欠かせないプロセスです。
コンセプトを言語化できていなければ、その後に立案する収支計画の精度にも影響を及ぼしかねません。「必要な設備や人材、システムは何か」「それにはどのくらいコストがかかるか」「何年で返していく計画なのか」「会費や種別、損益分岐となる会員数は」など重要なシミュレーションを行ううえでは、すべてコンセプトに沿って考える必要があります。もちろん、商圏調査や市場調査も必要です。
様々な要素を踏まえ、事業を可視化するのが事業化計画ですが、運営母体のみで明確な計画を作成するのは簡単なことではありません。特に収支計画についてはフィットネス事業ならではのコストや会員数の考え方を理解したうえで、「マシン機器が高額な投資になる傾向にある中で損益分岐をどうみるのか」など専門的な知識が求められます。
弱点3:相談窓口がないためやり方が不明瞭
運営母体の種別にかかわらず、メディカルフィットネスを立ち上げ、運営する場合は「フィットネス施設独特の考え方」と「医療連携のノウハウ」のどちらも必要です。最初から両方の知見があって、メディカルフィットネスを開業するケースは少なく、相談窓口に関する情報があまりないのも現状だと言えます。
フィットネス施設として必要な設備や動線の確保、マシンの配置、運営オペレーション、人材確保、教育、メディカルフィットネスとしての医療連携スキーム、プログラム作成、スタジオレッスンの講師の採用、給与体系など運営においてやることは山積みです。例えば、医療従事者の方が、メディカルフィットネス立ち上げの責任者にアサインされた場合、本業と並行しつつ調べながらすべて対応し、業者をチェックして管理することは至難の業でしょう。
業界理解がないまま進めてしまうことで、会員の方に魅力あるサービスが提供できない施設になったり、無駄なコストが膨れ上がってしまったりするケースも見受けられます。そのため、運営母体側の視点に立って話を聞いてくれるメディカルフィットネスの専門家のアドバイスがあると安心です。
弱点4:広告宣伝の方法やノウハウの不足
素晴らしいメディカルフィットネスを立ち上げても、会員が集まらなければ存続できません。しかし、多くのメディカルフィットネス施設では「広告宣伝の方法がよくわからない」「集客がうまくいっていない」という悩みを抱えているようです。
特に医療機関の場合は、深刻な問題です。医療機関はそもそも差別化して広告宣伝をすることが禁じられているため、集客のノウハウがまったく蓄積されていないことも珍しくありません。しかし、医療法42条施設(疾病予防運動施設)においては、広告宣伝が許可されており、医療機関としても名前を宣伝できる絶好の機会となります。会員の会費が施設の源泉となるため、広告宣伝が運営の肝となることは言うまでもありません。
医療機関ではなくても、フィットネス施設の集客の経験がないケースは珍しくないでしょう。広告宣伝の方法やノウハウの不足は、運営母体の一番の悩みだと言っても過言ではないかもしれません。
弱点5:その他
その他にも、メディカルフィットネスならではの弱点があります。メディカルフィットネスの立上げ・運営を検討するうえでは下記の要素も課題になる可能性があることを把握しておきましょう。
・メディカル要素が強すぎて一般会員が集められない
・一般のフィットネスクラブ化したコンテンツをつくれない
・人件費コントロールができない
・人材の出口(将来像)がはっきりしない
・人材の確保、配置のバランスがわからない
など
上記内容の詳細については、当メディアの別記事で追って紹介します。
メディカルフィットネスの収益化のポイント
メディカルフィットネスを収益化するためには、前出の弱みを払拭する必要があります。ここでは、メディカルフィットネスナビ(メディナビ)のサポート内容と共にメディカルフィットネスの収益化のポイントを紹介します。
ポイント1:面倒な手続きに関してはプロのサポートを活用
医療機関がメディカルフィットネス施設を開業するには、医療法42条施設(疾病予防運動施設)の届け出や定款変更を必ず行う必要があります。事務的な手続きは大変な負担となるので、経験のあるプロにサポートを依頼しましょう。準備する書類の案内や提出する書類の雛形の提供などを行ってくれるので、大幅な時間の短縮につながります(実際の申請実行までオーダーしたい場合は行政書士などへの依頼が必要です)。
また、厚生労働大臣認定「運動型健康増進施設」、厚生労働省指定「指定運動療法施設」の認定・指定を目指す場合には、実質的な調査法人である「公益財団法人 日本健康スポーツ連盟」への調査依頼を行うことになります。事前に認定基準に沿った施設計画・人員計画・運営計画を立てることで、調査依頼から認定までをスムーズに進められるでしょう。
言い換えると、施設準備段階から認定を視野に入れた計画が必要になります。こちらについては別項目で補足しますが、調査依頼に必要となる事務的な手続きや医療連携、有資格者の配置、設備や機器などの認定基準を把握し、運営母体独自で進めるには困難な場合もあるでしょう。
メディカルフィットネスを開業させ、運営を軌道に乗せるまでには多くの重要業務が存在します。準備や運営をスムーズにこなし、貴重な時間を確保するためにもプロのサポートを受けることも選択肢のひとつです。メディカルフィットネスナビ(メディナビ)で実施している支援サービスには、上記のサポートが含まれています。お気軽にお問い合わせください。
専門的な視点を踏まえた事業計画を作成
本来、事業計画は運営母体が作成します。しかし、商圏調査・市場調査・収支計画作成にあたり、メディカルフィットネス事業ならではの知見が必要になる場面が多々あります。また、事業のコンセプトを明確に「言語化」して計画を練り上げることは、なかなか難しいことではないでしょうか。しかし、その重要性は前項で紹介した通りです。
メディカルフィットネスナビ(メディナビ)では、メディカルフィットネスの開業支援サービスも行っています。最初は、事業の実現性を判断していただけるよう、事業化計画作成までの支援を実施。コンセプトの言語化、商圏調査・市場調査・競合調査などもクライアント様とともに進め、ターゲット設定や必要な設備投資、人材採用についてもサポートしています。さらに、収支シミュレーションを作成し、損益分岐の会員数も算出(概算)し、それが現実的な数字であるか、実現するためには何が必要かもお伝えしています。
必ずしも計画どおりに進むとは限りませんが、すべての根幹となる事業計画で方針を統一し、開業・運営を進めることが収益化への重要なポイントです。
ポイント3:運営母体側の視点に立った専門家への相談
メディカルフィットネス施設の開業は、単に施設を作りマシンを配置することではありません。前述した通り、フィットネス施設として必要な設備や動線の確保、マシンの配置から、運営オペレーション、人材確保、教育、メディカルフィットネスとしての医療連携スキーム、プログラム作成、スタジオレッスンの講師の採用、給与の体系化など多岐にわたる業務をこなす必要があります。すべてを事業計画で明確にした方針に沿って考え、決定し、形にして動かすことが求められるのです。
メディカルフィットネスナビ(メディナビ)では、メディカルフィットネス開業支援サービスを契約いただいたクライアント様に対して運営側の視点でのアドバイスを行っています。運営のコンセプトを理解した提案はもちろんのこと、いつでもお電話やメールで相談できる体制を整えています。
ポイント4:ブランディングやマーケティングのプロによる広告宣伝
広告宣伝で会員を集めることは、施設の収益化において肝になります。しかし、広告宣伝は、メディカルフィットネス施設を開業するうえで一番頭を悩ませるポイントとなるかもしれません。
メディカルフィットネスナビ(メディナビ)には過去の成功事例が蓄積されており、チラシ1つとってもそのノウハウを提供できます。また、施設全体のブランディング、マーケティングを意識したWEBサイトの構築もオプションサービスとして提供。メディカルフィットネスナビ(メディナビ)にはメディカルフィットネス施設のブランディングやマーケティングのプロが在籍していますので、ご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。