パーソナルジムが運営するメディカルフィットネス

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メディカルフィットネスジムは、利用者一人ひとりの身体状況に寄り添った運動指導が求められるパーソナルジムと好相性です。本記事では、パーソナルジムがメディカルフィットネスジムにリニューアルする、または新たにメディカルフィットネスジムを開業する場合の考え方のヒントをご紹介します。

更なる成長が見込まれるパーソナルトレーニング

 近年は健康志向の高まりにより、運動への関心を持つ方が増えています。

 スポーツ庁は、令和2年11月に「スポーツの実施状況等に関する世論調査」をおこないました。全国の18歳~79歳の男女20,000人を対象にした調査の中で、スポーツがもたらす価値について「健康・体力の保持増進」を挙げた方は77.0%にのぼり、複数選択できる12項目の中で最多となりました。

パーソナルジムが運営するメディカルフィットネス|運動がもたらす価値についてのグラフ

スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査」を基にメディカルフィットネスナビが作成

 

 健康の維持・増進に運動が重要だと感じている方が多い中で、満足のいく運動ができている方は多くはありません。
 同調査によると、現在の運動・スポーツ実施状況に対して「もっとやりたいと思う」を選んだ方は51.7%です。半数以上もの人が、現在の運動量に満足していない状況です。

パーソナルジムが運営するメディカルフィットネス|運動・スポーツの実施状況に対する満足度

スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査」を基にメディカルフィットネスナビが作成

 

 パーソナルジムを利用される方の多くは、ダイエットや理想の体型づくりを目的としていると思われます。
 しかし、昨今は健康意識の高まりから運動をしたいと考える方が増えています。パーソナルジムが健康維持・増進を目的としたサービスをおこない、新たな市場を開くことも可能と思われます。

 

パーソナルジムの強みを活かせるメディカルフィットネス

 パーソナルジムでは、利用者の目的に合わせたプログラムを組み、マンツーマンでの運動指導をおこないます。
 利用者のメリットとして、トレーニングに集中しやすい一対一の環境であること、食事の内容や自宅でのトレーニング方法などの指導を受けやすいことなどが挙げられます。自分に合った運動の方法を詳しく知りたい方や、体を動かしながらアドバイスを受けたい方には、パーソナルジムの運動指導がマッチしています。

 メディカルフィットネスジムでは、医学的エビデンスに基づいた運動指導をおこないます。運動初心者の方や体を動かすことに不安を感じている方なども利用されるため、パーソナルジムのように個別の運動指導を実施することが求められます。利用者一人ひとりに適した運動指導が求められるメディカルフィットネスジムは、パーソナルジムとの共通点が多いと言えるでしょう。

 既存のパーソナルジムがメディカルフィットネスジムにリニューアルする場合、医学的な裏付けのある運動指導をおこなう必要があります。これまで以上に効果的な運動指導ができるほか、疾病をお持ちの方、体に痛みや不調を感じている方、健康診断の結果を改善したい方などにも対応したサービスも提供しやすくなります。パーソナルジムの持つ強みを活かしたうえで利用者の幅を広げられるでしょう。

 

パーソナルジムが運営するメディカルフィットネス|パーソナルジムでトレーニングをおこなうイメージ画像

 

パーソナルジムがメディカルフィットネス化するための医療的要素

 既存のパーソナルジムをメディカルフィットネスジムにリニューアルする、またはメディカルフィットネスジムを新たにオープンする場合、最初にすべきことはコンセプトの策定です。

 たとえば、健康寿命の延伸がコンセプトのメディカルフィットネスジムであれば、ロコモティブシンドロームやフレイル予防のための運動指導だけでなく、生活習慣病予防につながる食事の指導ができる施設づくりが望ましいでしょう。そのためには、運動指導ができるスタッフ以外にも、栄養バランスを考えた食事のアドバイスができる栄養士などのスタッフを配置することがベストだと考えられます。

 どのようなコンセプトのメディカルフィットネスジムにするかを決めることで、利用者(ターゲット)や導入する設備を決めやすくなります。メディカルフィットネスジムの運営にあたっての準備は多岐にわたりますが、はじめにコンセプトを決定することがお勧めです。

 メディカルフィットネスジムのオープンにあたり、必須とされる資格や届け出、認定はありませんが、厚生労働大臣認定「健康増進施設」認定や厚生労働省指定「指定運動療法施設」指定を受けることが可能です。
 2022年4月に「健康増進施設」「指定運動療法施設」の認定規定が緩和され、これまではトレーニングジム及び運動フロアとして150㎡以上の面積が必要とされていましたが、2022年4月からは標準的な運動プログラムを実践できる設備や人員を前提として20㎡を有していることに条件が変更されました。標準的な広さや設備のパーソナルジムでも認定・指定の取得がしやすくなったため、認定・資格の取得についてもぜひご検討ください。

 メディカルフィットネスジムを運営するためには、認定・指定を取得する、医療・運動に関する有資格者を配置し有資格者によるエビデンスに基づいた運動指導の実施する体制が必要です。
 メディカルフィットネスジムで活かせる主な資格に、厚生労働省医政局が監修する理学療法士、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する健康運動指導士や健康運動実践指導者、公益財団法人日本スポーツ協会または特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が発行するアスレティックトレーナーなどがあります。有資格者の採用や資格取得の準備をする際には、その資格がどのような機関・団体から発行されているものかを知るべきです。歴史と実績のある機関・団体が発行している資格を選ぶことで、有資格者がスキルを発揮する施設づくりのビジョンも描きやすくなるでしょう。

 有資格者の配置についても、新たに有資格者のスタッフを雇用する、既に在籍しているスタッフに資格取得をさせる、ご自身で資格を取得されるなどさまざまな可能性があります。
 どの場合でも、資格の発行団体にどのような歴史と実績があるかに注目することが重要です。

 

以下の記事もぜひご覧ください

理学療法士が運営するメディカルフィットネス
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大貫崇氏インタビュー ~アスレティックトレーナーがスキルを発揮できるメディカルフィットネスの形
大貫崇氏インタビュー アスレティックトレーナーのポテンシャルを活かせるメディカルフィットネス

 

パーソナルジムが運営するメディカルフィットネス|パーソナルジムでトレーニングをおこなうイメージ画像

 

メディカルフィットネスジムに重要な医療連携の考え方

 医療と運動が融合したメディカルフィットネスジムでは、地域のクリニックなどの医療機関と提携し、利用者に医療的なサポートを提供できることが理想です。

 どのような医療機関と、どのような提携関係を結ぶことが適切かは、そのメディカルフィットネスジムのコンセプトや規模によって異なります。
 たとえば、提携する医療機関の患者に高血圧・糖尿病・高脂血症・虚血性心疾患などの症状を抱えた方がおられる場合は、提携医が発行した運動処方箋をもとに、メディカルフィットネスジムで運動指導をおこなうような提携関係が考えられます。スポーツのパフォーマンス向上を目的とする利用者を主なターゲットとする場合は、整形外科やスポーツ医などと提携関係を結ぶなど、メディカルフィットネスジムのコンセプトに合わせて提携先を検討することが重要です。
 また、メディカルフィットネスジムの利用者が持つ日常的な体の痛みや不調に対して、提携先の医療機関を紹介することで利用者のサポートをおこなえる、メディカルフィットネスジム内外の仕組みづくりが大切です。

 メディカルフィットネスジムが医療機関と連携することはハードルが高く、難しいと感じる方もおられるかと思います。
 しかし、メディカルフィットネスジムに興味を持たれる医師のほとんどの方が「薬だけで患者さんを健康にすることは難しい、運動をするよう伝えても、実際に運動をする患者さんは少ない」とお話しされます。運動施設との連携を希望する医療機関も多いため、パーソナルジムのメディカルフィットネスジム化はこれからスタンダードになる可能性も高いのではないでしょうか。

 

パーソナルジムが運営するメディカルフィットネス|メディカルフィットネスジムで運動指導を受けるイメージ

 

まとめ

 パーソナルジムがメディカルフィットネスジムにリニューアルすると、パーソナルジムが持つ丁寧な運動指導の強みを活かしたうえで、医学的エビデンスに基づいた安心で安全な運動指導の提供が可能となります。既存の利用者だけでなく、新たな利用者層へアプローチするチャンスとなりえるでしょう。

メディカルフィットネスジムの開業・運営には、医療的要素をどのように取り入れるか、設備や人員はどうするかなど、検討することがたくさんあります。事前に十分な情報収集をしてから、諸準備をおこなうことが大切です。

 メディカルフィットネスナビでは、パーソナルジムを経営されている方がメディカルフィットネスジムを新規にオープンする、または既存のパーソナルジムをメディカルフィットネス化するお手伝いをしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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