厚生労働大臣認定「健康増進施設」の認定規定が2022年4月1日より変更されました

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2022年4月1日より、厚生労働大臣認定「健康増進施設」の認定規定が改正されました。本記事では、厚生労働大臣認定「健康増進施設」の概要と改正内容についてご紹介します。

厚生労働大臣認定「健康増進施設」とは?

 

 国民の健康づくりを推進する上で適切な施設を認定・普及する目的で、厚生労働省は健康増進施設認定規定を設けています。

 厚生労働省は、「運動型健康増進施設」「温泉利用型健康増進施設」「温泉利用プログラム型健康増進施設」の認定をおこなっています。本記事では「運動型健康増進施設」(以下、「健康増進施設」)の規定改正についてご紹介します。

 

 健康増進施設の認定基準は設備や人員など多岐にわたります。公益財団法人日本健康スポーツ連盟が調査し、厚生労働省が認定をおこなう健康増進施設は、令和4年4月6日時点で全国に323件あります。(※1)

 健康増進施設の認定取得には、早くても3ヶ月程度かかるとされています。日本健康スポーツ連盟への調査申請から厚生労働省の認定にはさまざまな要件があり、設計段階から対応する必要があるものもあります。事前に十分な準備をし、スムーズに申請をおこなうことが望ましいでしょう。

 

※1 厚生労働省 運動型健康増進施設一覧(2022年4月6日のデータを参照)

 

厚生労働大臣認定「健康増進施設」の認定規定が2022年4月1日より変更されました|メディカルフィットネス施設で行われる運動指導のイメージ

 

2022年4月1日より設備要件と指定要件が見直されました

 

 厚生労働省により、2022年4月1日より健康増進施設認定規定が改正され、設備要件と指定要件が見直されました。
 それぞれ、以下のように要件が変更されています。

 

設備要件(面積要件)の見直し

 

・旧:トレーニングジム及び運動フロアの合計が150㎡であること

・新:「標準的な運動プログラム」を実践できる設備と人的な要件を満たす前提として、20㎡を有していること

「標準的な運動プログラム」は、申請書に記載の有酸素機器(最低要件としてフィットネスバイク)および部位別のトレーニングマシン、体力測定機器(全身持久力測定機器、筋力、筋持久力、柔軟性、敏捷性、平衡性)が安全に配置されていること、準備運動のスペース及び更衣室、シャワールームが確保されていることなどを指しています。また、人員として、公益財団法人日本健康・体力づくり事業財団が発行する「健康運動指導士」の有資格者を配置することも見直し前と変わらず必須条件です。

 

健康運動指導士については、こちらもご覧ください
メディカルフィットネス施設に欠かせない「健康運動指導士・健康運動実践指導者」とは

 

(指定運動療法施設)指定要件(1回あたりの施設利用料金)の見直し

 

・旧:医師の処方に基づく運動療法を実施する際の1回当たりの利用料金が「5,000円(税込)」以内であること

・新:医師の処方に基づく運動療法を実施する際の1回当たりの利用料金が「10,000円(税込)」以内であること

 

 健康増進施設の認定取得後、さまざまな条件を満たすことで、厚生労働省指定「指定運動療法施設」の指定を受けることが可能です。指定運動療法施設で運動療法を受けた利用者の施設利用料金は、医療費控除の対象となります。
 2022年3月までは、医療費控除の対象となる運動療法の利用料金は1回あたり税込5,000円以内とする必要がありましたが、今回の改正によって要件が緩和され、1回あたりの利用料金の上限は税込10,000円以内に変更されました。

 

認定要件の改定前改定後の比較
該当要件 2022年3月まで 2022年4月より

健康増進施設の設備要件
(面積要件)

トレーニングジム及び運動フロアの合計が150㎡であること 「標準的な運動プログラム」(※)を実践できる設備と人的な要件を満たす前提として、20㎡を有していること
指定運動療法施設指定要件
(1回あたりの施設利用料金)
医師の処方に基づく運動療法を実施する際の1回当たりの利用料金が「5,000円(税込)」以内であること 医師の処方に基づく運動療法を実施する際の1回当たりの利用料金が「10,000円(税込)」以内であること

※「標準的な運動プログラム」を実践できる設備とは、健康増進施設認定申請書 書式2‐①に挙げる有酸素機器(最低要件としてフィットネスバイク)及び補強トレーニングマシン(部位別)を備えていること。
 体力測定器(全身持久力測定機器、筋力、筋持久力、柔軟性、敏捷性、平衡性)を備えていること。
 人的な要件とは「健康運動指導士」の配置に加えて、安全な機器の配置、準備運動のスペース及び更衣室、シャワールームがあることを指します。

 

規定改定で普及が期待される健康増進施設

 

 今回の規定改正によって、メディカルフィットネス施設は「健康増進施設」認定を取得しやすくなりました。
 面積要件の緩和によって、クリニックや接骨院が併設するメディカルフィットネス施設や、パーソナルジムをベースとした小規模なメディカルフィットネス施設などが認定を取得するハードルが下がったと言えます。

 さらに、指定運動療法施設で実施される運動療法の1回あたりの利用料金の上限が上がったことで、これまで以上にきめ細かい運動指導の実施が期待されます。

 メディカルフィットネス施設の開業・運営に、健康増進施設・指定運動療法施設の認定・指定取得は必須ではありません。
 しかし、健康増進施設の認定基準の中には医療機関との適切な提携関係を有していること、健康運動指導士およびその他運動指導者などの配置などがあります。健康増進施設の認定基準にならって設備・人員を配置することで、利用者に寄り添った効果的な運動指導がしやすくなるでしょう。さらに、厚生労働大臣の認定を得た施設であることを地域の方々へPRすることで、他のフィットネス施設などとの差別化につながり、集客面での効果も期待されます。
 これまでは認定を取得せずに運営していたメディカルフィットネス施設も、この機に改めて認定要件を確認して、認定取得の可能性を考えてみてはいかがでしょうか。

 今回、規定改定がおこなわれた面積要件・指定要件以外の認定基準はこれまでと変更はありません。現在運営しているメディカルフィットネス施設、またはこれからオープンするメディカルフィットネス施設の認定取得をお考えの場合は、設備や人員、医療機関との提携関係が認定基準であることを踏まえて、認定を取得できるかどうかや取得のために何が必要かなどを、十分に情報収集をおこなってください。

 

厚生労働大臣認定「健康増進施設」の認定規定が2022年4月1日より変更されました|メディカルフィットネス施設で行われる運動指導のイメージ

 

まとめ

 

 健康増進施設の規定改定によって、これまでよりも認定は取得しやすくなったと言えます。
 厚生労働省が健康増進施設・指定運動療法施設の増加をさらに加速させようとしていると言えます。
 今後、健康増進施設や指定運動療法施設が増加してくると、認定取得だけでは他の施設との差別化が難しい時代が来るかもしれません。安定した経営のためにはサービスの質の向上、地域への情報発信による集客が一層重要になるのではないでしょうか。

 メディカルフィットネスナビでは、健康増進施設の認定、指定運動療法施設指定のサポートはもちろん、運営サポートも行っています。
 これからメディカルフィットネス施設の開業をお考えの方、認定取得を検討されている施設の方、また、既に認定を取得されている施設の方も、ご不明点や今ある課題について、お気軽にご相談ください。

 

下記のページもご参照ください
健康増進施設認定制度|厚生労働省
健康増進施設認定規定が普及に向け、改正されました|公益財団法人 日本健康スポーツ連盟
健康増進施設・医療法42条施設について|メディカルフィットネスナビ
メディカルフィットネス開業前に知っておきたい健康増進施設の認定制度|メディカルフィットネスナビ

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