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2024.10.09
今、注目を集める「メディカルフィットネス」 「メディカルフィットネス」の第一人者であり、当メディア「メディカルフィットネスナビ(メディナビ)」の…
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最新鋭のフィットネスマシンメーカーとして、フィットネス業界を牽引してきたテクノジム ジャパン株式会社。マシン開発のみならず、独自の運動管理システムやアプリの開発、フィットネス施設の運営サポートなど、幅広い事業展開でフィットネスの普及に貢献しています。同社マーケティング部の角田岳(つのだ がく)氏に、テクノジム社のマシンやシステムの魅力、メディカルフィットネスの今後についてお聞きしました。
Contents
・テクノジム公式サイト
・テクノジム公式サイト 疾病予防、リハビリテーション、医療施設の為のエキササイズエキップメント
――テクノジム ジャパン株式会社は、イタリアのテクノジム社(Technogym S.p.A)の100%子会社としてフィットネスマシンの製造販売を主軸にされていますが、テクノジム社とはどのような企業ですか?
テクノジムは、現在CEOを務めるネリオ・アレッッサンドリが、1983年にイタリアで創業しました。当時のフィットネスマシンは、いわゆる“マッチョな体”を目指すものが主流で、人々の健康増進を目的とする運動促進のためのフィットネスマシンという考え方は、まだない時代でした。アレッサンドリは「将来必ず、健康増進つまりウェルネス ライフスタイルの実現を重視した運動の必要性が、広く受け入れられる時代が来る」と考え、自宅のガレージにて弟と2人でまったく新しい考え方でフィットネスマシンを作り始めました。
アレッサンドリはマシンの開発と製造を行うと共に、ユーザーが日々取り組んでいる運動が果たして効果的かつ迅速に効果を出しているのか、またトレーナーの指導によって明確なプログラムを受けられるのかという点にも着目していました。トレーナーが多くの顧客に対して運動プログラムを処方するうえでも、散逸しがちな紙ベースより、効率的に業務を行うことをも念頭に入れて、1990年代には電子媒体でのプログラム処方と運動管理の提供を始めることで、テクノジムはフィットネスにデジタルテクノロジーを取り入れたパイオニアとなりました。
2010年代以降は、クラウドテクノロジーの進化により、スマートフォンでいつでもトレーニング記録を管理したり、ジム以外での運動や体の状態も含めて総合的な健康状態のチェックしたりできるようになりました。デジタルテクノロジーをフル活用して、トータルで健康管理ができる仕組みを作り上げてきたのです。
――現在は、主にどのようなサービスを展開していますか?
フィットネスマシンやエクササイズツールの開発がメインですが、それらを活用するためのクラウドベースのプラットフォーム「mywellness」を軸に、これを活用して施設のオペレーター、トレーナーの業務効率の向上やエンドユーザーのトレーニング体験の向上に繋がるさまざまなアプリも開発しています。近年は、こうしたアプリを通じて、またはマシンに搭載されたコンソールを通じての、独自のオンラインコンテンツの制作・配信も手掛けています。
メディカルフィットネス施設においても、デジタルは大いに活用されています。例えば病院と連携しているフィットネス施設の場合、医師の見解を踏まえて理学療法士や運動指導者がシステム上で運動プログラムを作成したり、医師が電子カルテに記録されるバイタルデータと運動データを組み合わせて診療するといった連携がスムーズにできます。
テクノジムジャパン株式会社のショールーム(東京・品川)
――御社の製品・サービスを導入している施設数はどのくらいですか?
国内で数千件の施設において当社の製品やサービスをご利用いただいていますが、年々その数は加速度的に増加しています。圧倒的に多いのはフィットネスクラブで、全国チェーンからパーソナルトレーナーが運営している小規模なスタジオまで、さまざまです。次に、病院付帯のリハビリ施設や42条施設、健康増進施設、そしてホテルと続きます。健康と観光を組み合わせた「ウェルネスツーリズム」を提供する宿泊施設や、福利厚生の充実を図る企業オフィス、プロスポーツチームをはじめとした学校、実業団などのアスリート向け練習施設などもあります。
フィットネス施設は、コロナ禍で利用者離れに苦慮しているところも多いですが、弊社のmywellnessクラウドを通じてオンラインサポートをしている施設は、リモートクラスの提供や、ジムエリアにおける利用人数の管理などを通じて、安全な運動環境の提供に成功しています。運動を行う場所がたとえフィットネス施設でなかったとしても、自宅などジムの外でも自由自在にトレーニングできる環境を支援するのが、我々の重要なミッションだと捉えています。
また、施設向けのソリューションと並行して、自宅向けのホームウェルネス製品の展開を積極的に行っています。デザインに強いこだわりを持つイタリアのブランドであり、住環境にしっくりと馴染む「ファニチャー フィットネスマシン」として高い評価を受けています。最近では、限られた自宅スペースの中でトレーニング効率を高めるためのコンパクトなマシンやダンベルなどのエクササイズツールを、国内でも多くご利用いただいています。
――テクノジム社のマシンには、どんな特徴がありますか?
「機能とデザインの両立」です。利用者の視点に立って、使いやすさと、運動のモチベーション向上に繋がるサポートを実現するマシンを提供することにこだわっています。例えば大胸筋を鍛えるチェストプレスは、アームがただ扇型に動くのではなく、バイオメカニクスの観点から人体の自然な動きに沿うよう作られています。また人間工学の見地も重視されており、例えばランニングマシンでは、マシン正面に設置されたコンソールパネルはさまざまな身長の利用者が、誰でも自然な姿勢で見られるアングルでデザインされています。
これはつまり「安全」にも直結します。マシンを使うことでかえって体に負担をかけてはいけませんから、誰でも無理なく運動ができるように配慮しています。
――マシンには、画期的なデジタルテクノロジーが使われていると聞きました。
ICチップが入った鍵「Technogymキー」、リストバンド型の「mywellnessバンド」、そしてスマートフォンやスマートウォッチにインストールする「mywellness®︎アプリ」のいずれかで、すぐにマシンにチェックインできます。
左から)mywellness®︎アプリ、Technogymキー、mywellnessバンド(出典:テクノジム公式サイト)
チェックインしてマシンと連携すると、クラウドに保管された利用者の情報を呼び出し、「この強度に設定してください」とマシン上にガイダンスが表示されたり、スマートフォンのアプリ上でプログラムを呼び出すことができます。現在、最も新しい自動サーキットシステム「Biocircuit」では、あらかじめ設定された運動プロファイルや可動域、最大挙上重量に基づいて、マシンが自動的に個々の利用者のためのプログラムを反映させてくれます。それだけでなく、トレーニング中の利用者の動きをAIが感知して自動調整までしてくれます。
例えば、AIが「この人は疲れてスピードが落ちてきたから、強度を弱めよう」と判断したら、ウエイトを自動的に下げてくれるのです。他にも、腕を広げるときと閉じるときで負荷を自在に変えるなど、従来のマシンではできなかったトレーニングが実現できます。
これまでのように「利用者がマシンに合わせる」のではなく、「マシンが人に合わせる」のがテクノジム製品の特徴です。ですから、同じマシンでアスリートにもリハビリ中の高齢者にも対応できます。
――利用者にとっては非常に便利ですが、トレーナー目線ではどんな利点が挙げられますか?
運動強度の設定はAI、運動プログラムを組むのはトレーナーと棲み分けができます。つまり、自動化できる仕事をAIに任せることで、トレーナーにしかできない仕事―利用者に寄り添い、目的達成の伴走者としての仕事―に注力できます。具体的には利用者がどんな悩みを抱え、どういうゴールを描いているのか汲み取り、目標に合った運動強度を測定して最適な運動プログラムを提供するといったことです。
マシンにしてもデジタルにしても、テクノジムのソリューションはトレーナーの仕事を奪い取るのではなく、むしろトレーナー本来のスキルや能力を最大限に引き出すツールとも言えます。そういった環境構築のサポートは、弊社が最重視するポイントでもあります。
テクノジム社の「Skillmill」(出典:テクノジム公式サイト)
――トレーナーに向けて、マシン活用の教育などは行っていますか?
マシンの使い方や運動効果、利用者への説明の仕方など、デジタルを使ったフィットネスのメリットを効果的に引き出せるよう、弊社の教育チームが現場に伺うか、こちら(東京・品川)のショールームにお越しいただいて研修をしています。オンラインによるe-ラーニング研修も実施しています。
――マシン導入後のメンテナンスサポートが気になります。
もちろん製品保証はありますし、「テクノジム・メンテナンス・パッケージ」というサービス契約にご加入いただくと、万が一製品の不具合が発生した際も、煩雑で時間のかかる見積書のやり取りを省いて、より迅速な訪問修理が可能になります。このパッケージは契約種別に応じて、施設に必要なサービスをお選びいただけます。修理にかける時間と突発的なコストを削減いただけるため、このサービスにも特に注力しています。
――御社のクラウドプラットフォーム「mywellness」はどんな仕組みですか?
利用者自身の身体状態、運動履歴や運動プログラムを一元的に管理できるクラウドプラットフォームです。フィットネス施設での運動記録はもちろん、サードパーティー製のアプリやデバイスと連携させることで施設外での運動を記録したり、食事の摂取カロリーや、心拍数などの体組成情報をこのクラウドへ集約させることで、利用者は自身の体を把握できます。
ちなみに運動量は一般的に「カロリー」の消費量で換算されますが、実際には体重など体のコンディションで大きく変動します。そこで性別、年齢、体力に関係なく、行う運動の種類とその取り組みに基づいて運動量を客観的に表す、テクノジム独自の運動単位「MOVE」を定めました。運動スピードと時間を基に計算し、1日の運動量が約450MOVEを下回ると「運動不足」、1000MOVEを上回ると「非常にアクティブ」と評価してくれます。自分の運動量を可視化できる点がポイントです。
また、「mywellness」を施設に導入することで、トレーナーにもメリットがあります。クラウド上でトレーナーが担当する各利用者の運動状況を細かに見られるので、運動の種類や時間、負荷などについて客観的な指導ができます。利用者一人ひとりの目的や課題に基づいて、簡単なプロセスで運動プログラムを組むことができます。
――オリジナルアプリも制作しているそうですね。
トレーナーが、スタジオでのクラスのスケジュール登録やコンテンツの管理を簡単に行え、利用者がスマートフォンからクラスの予約やスタジオ内のお気に入りの場所の確保を簡単にできるクラスアプリを、目的に応じて提供しています。例えばインドアサイクル用のクラスアプリですと、トレーナーが分単位でペダリングの強度を設定して、あらかじめアプリ内にそのプロファイルを登録しておけば、レッスン開始時にそのプログラムを呼び出して使うことができます。利用者にも運動強度や進み具合を可視化できます。
トレーナーがイチからプログラムを作るのが難しい場合は、アプリ内の共有ライブラリにあるテクノジムが作成したプログラムを使用することも可能です。そのまま使っても、少しアレンジを加えてオリジナルコンテンツとして活用しても良いです。
また昨年リリースしたオンラインレッスンに特化したアプリでは、トレーナーと利用者、あるいは利用者同士の交流の場も提供しています。スタジオでのクラスでは直接顔を合わせていたトレーナーと参加者が、このアプリを活用したリモートクラスの開始時や終了時には、画面上でお互いに顔を映して見られたり、コミュニケーションが取れたりと、つながりを保てるように工夫しています。
Group Cycleクラスのイメージ(出典:テクノジム公式サイト)
――「製品・サービスを導入したいけれど、マシン購入に設備やコスト面でハードルがある」といった場合、アプリのみの購入はできますか?
はい。多くのアプリは、テクノジム社のマシンの使用を前提にしています。しかし、弊社以外のマシンを使ったり、腕立て伏せや腹筋などマシンを必要としないプログラムの実施を可能にしたアプリもあるので、気軽にテクノジムのサービスをご利用いただけます。
――米国のアメリカスポーツ医学会(以下、ACSM)が立ち上げた、スポーツ・運動療法普及プロジェクト「Exercise is Medicine」(以下、EIM)のサポートもしているそうですね。
2010年からACSMとパートナーシップを組んで、EIMのプロモーションに関わっています。我々は市場へのマシンの提供を通じて「運動こそ良薬」という考え方の啓蒙サポートなどをしていますが、むしろACSMから最新の運動療法ノウハウを共有できるメリットが大きいです。特にメディカルフィットネス用の製品開発においては重要です。
2019年には、日本臨床運動療法学会が「EIM Japan」という取り組みを始めました。弊社もパートナー企業として協力していますが、まだ立ち上がって間もない段階でコロナ禍に見舞われてしまい、具体的な取り組みはこれから深めていくことになります。
――今後、メディカルフィットネス市場はどう展開していくとお考えですか?
グローバルベースでも日本国内でも、確実に成長を続けていくと考えています。日本では、国民医療費削減のためジェネリック医薬品の導入が進んできましたが、次は薬を使わず、ひいては医療施設の利用自体を抑制していくため、「健康加齢」を促す流れになると考えられます。そこで外せないのが、積極的な運動の促進です。現に、フィットネス施設では高齢利用者が非常に増えていますから、メディカルのノウハウを取り入れた運動指導は、ますます求められると思います。フィットネス施設だけでなく、サービス付き高齢者住宅やデイケアセンターなどからのニーズも高まるのではないでしょうか。
「メディカルフィットネス」のターゲットは、リハビリや病気ケガの予防を求める高齢者だけでなく、健康を維持したい現役世代、パフォーマンス向上を目指すアスリートまで、さまざまです。細分化してきたニーズに対し、いかに素早く適切な製品・サービスを提供できるかが、今後の鍵になると考えます。
加えて、「フィットネス施設に行かなくても日頃の運動管理をしたい」という要望が高まると思います。長引くコロナ禍で、自宅で運動するニーズも増えているでしょう。そこでぜひ、製品、デジタルテクノロジー、そしてプログラムの指導や研修などを包括的に提供するテクノジムの「トータル ウェルネス ソリューション」を最大活用していただきたいと願っています。テクノジムは、これまでもホームウェルネスの促進を進めていましたが、今後はその流れをさらに加速させ、個人宅でも利用できるコンパクトなマシンやプログラムの開発も進めていきます。
メディカルフィットネスに対応したレッグプレスなど多様なマシンが揃っており、細かいニーズにも応えられる
――これからメディカルフィットネス事業を始めようとお考えの方へ、メッセージをお願いします。
地域医療の支援を負担に感じている自治体は、少なくないのではと推察します。できるだけコストをかけずに住民の健康を守るには、住民1人ひとりが、病気やケガを予防して健康寿命を延伸させることが大切ではないでしょうか。メディカルフィットネス事業については、弊社をはじめとした企業や研究機関が持つノウハウを活用いただくことで、スムーズに進められると思います。
さらに、地域住民がフィットネス施設で運動を楽しむことは、地域活性化や独居高齢者の救済など、非常に多くのメリットをもたらすと感じています。実際にフィットネス施設を訪問すると、利用者の方、特に高齢の方が、みんなで楽しそうに運動している様子を目にします。たわいもないお喋りをしたり、情報交換をしたりということもあります。
少し前までは公民館や病院の待合室がコミュニティの場になっていましたが、フィットネス施設もそうなり得ると思います。もはやフィットネス施設は、運動して体の健康を維持するだけではなく、交流によって心の健康をも保つ場所だと言えるでしょう。地域を明るくするコミュニティハブとしての役割が、今後さらに求められると思います。
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