薬局・ドラッグストアが運営するメディカルフィットネス

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大手ドラッグストアチェーン店が店舗を増やす一方、個人経営の薬局や地域に根差した中小規模のドラッグストアなどは、苦戦を強いられているのではないでしょうか。 本記事では、薬局・ドラッグストアがメディカルフィットネス施設を運営する際のヒントをご紹介します。

薬局・ドラッグストアは増加傾向 競争は激化

厚生労働省によると、2011年度の薬局店舗数は54,780件で、2021年には61,791件まで増加しています。

2011年、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年の衛生行政報告例を基にメディカルフィットネスナビが作成

特に、調剤薬局を取り扱う大手チェーン店は店舗数を伸ばしています。また、医療機関の敷地内にある敷地内薬局(門内薬局)も増加しています。

一方で、地元密着型の薬局の中には閉業してしまう店舗もあります。

閉業の原因の一つに、調剤報酬の低下に伴う減収があると考えられます。調剤費を含む医療費は年々増大しているため、今後も医療費削減による調剤報酬の改定等により、調剤薬局の減収が懸念されます。

業界内での競争激化や、調剤報酬の低下などから、薬局・ドラッグストアは厳しい環境に置かれていると言えます。

 

薬剤師の業務は「対物業務」から「対人業務」へ

薬局・ドラッグストアに勤務する薬剤師の働き方は変化しつつあります。

2019年4月2日に、厚生労働省より「調剤業務のあり方について」という文書、いわゆる0402通知が発出されました。

この本通知により、これまで薬剤師がおこなっていた調剤業務の一部を、一定条件下で薬剤師の資格を持たない方でもおこなうことが可能となりました。

その目的は、薬剤師の対物業務を減らし、対人業務を充実させることにあり、調剤業務の一部を薬剤師以外のスタッフが担うことで、薬剤師は医師が発行した処方箋の内容を確認する疑義照会や、患者に対して薬の効果や副作用などを説明する服薬指導などに、注力できるようになると期待されます。

対物業務は薬剤師以外のスタッフがサポートすることができ、システム的にも効率化が進んでいく中で、薬剤師が患者の健康・生活の質向上に関わっていくことを重視する、この流れは今後一層顕著になっていくでしょう。

また、年々増大する医療費の抑制は喫緊の社会課題です。こういった側面からも薬局・ドラッグストアと、そこで働く薬剤師を取り巻く環境は、今後も変化していくと考えられます。
経営を考えるうえでは、調剤報酬以外のキャッシュポイントを作ることや、薬剤師の対人業務を強化して他の薬局・ドラッグストアとの差別化や、地域の医療・介護への積極的な関りなどが求められていくのではないでしょうか。

薬局がメディカルフィットネス施設を開業する意義とメリット

メディカルフィットネスとは、狭義には医療機関が運営するフィットネス施設、広義には医療的要素を取り入れた運動指導をおこなうフィットネス施設を指します。

広義のメディカルフィットネス施設の運営母体は、一般企業や介護施設など多岐に渡ります。

調剤薬局を訪れる方のほとんどが、体に不安を抱えています。医師から適度な運動を勧められている方や、体のために運動をしたいと思っている方もおられるでしょう。
例えば、薬局にメディカルフィットネス施設が併設されていれば、薬の処方を待つ間に運動に取り組むことができ、利用者の健康維持・増進に貢献することが可能です。また、そのメディカルフィットネス施設での運動が生活の一部となれば、利用者の運動習慣の定着のほか、ついでに薬局を利用する方が増えることも見込まれ、収益増のきっかけになる可能性もあります

さらに、ドラッグストアの場合は、取り扱っている健康食品、サプリメント、プロテインなどとのシナジー効果も見込めるため、メディカルフィットネスと相性の良い事業と考えられます。

薬局やドラッグストアに併設するメディカルフィットネスのヒント

メディカルフィットネス施設に必要な設備・機器などは、施設コンセプトによって大きく変化します。開業に向けた準備の際には、コンセプトについてじっくり考えることが重要です。

薬局・ドラッグストアの利用者が調剤を待つ隙間時間や、買い物のついでに利用することを想定する場合は、30分以内で終わる短時間のレッスンや、着替えや靴の履き替えなどの手間が少ないということも、利用者にとって魅力があると考えられます。

短時間でおこなうレッスンの場合は、簡単なストレッチやエクササイズの他に、振動マシンを利用したレッスンなども考えられます。

当メディア「メディカルフィットネスナビ」の運営会社である株式会社ドリームゲートの関連企業であるWellOne株式会社は、2023年3月に、振動マシンによる短時間レッスンを導入したフィットネス施設「スマートブル」をオープンしました。

 スマートブルではトレーニングウェアへの着替えやシューズの履き替えは不要で、レッスン時間は20分のため、隙間時間で気軽にレッスンを受けられます。

施設内で使用されている振動マシンは医療機関や高齢者施設などでも採用されており、膝の痛みの改善や、骨の強化・骨密度の向上、糖代謝・肝脂肪・肝機能の改善、ダイエット効果などが期待されています。スマートブルの利用者からは「肩や膝の痛みが軽くなった」「体重と体脂肪率が下がった」と好評を博しており、健康維持・増進に役立っています。

振動マシンを使用したサービスの場合、多数のマシン機器を備えたフィットネスジムと比べて、イニシャルコストが抑えられることもメリットです。メディカルフィットネス開業に際しては、振動マシンの導入も検討してみてはいかがでしょうか。

スマートブル―カラダが変わる、20分の振動フィットネス

スマートブル事業のパートナーも募集中です。ご興味がある方はメディカルフィットネスナビのお問い合わせフォームから、ご連絡ください。

指定運動療法施設の指定取得で利用料の医療費控除も可能

メディカルフィットネス施設の運営に認可等は必須ではありませんが、一定の要件を満たすことで、厚生労働大臣認定「健康増進施設」、厚生労働省指定「指定運動療法施設」の認定・指定を取得することができます。

健康増進施設の認定を受けた後、指定運動療法施設の申請が可能です。指定を取得すると、諸条件を満たす施設利用者の施設利用料が医療費控除の対象になります。

メディカルフィットネスを開業する場合は、認定・指定の取得を検討することがおすすめです。

健康増進施設・指定運動療法施設の認定・指定を受けるための要件のひとつに、医療機関と適切な提携関係を結んでいることが挙げられます。

薬局・ドラッグストアの場合は、近隣の医療機関とすでにつながりを持っていることが多いため、認定・指定を取得するうえでは大きなアドバンテージがあります。

他の要件には、救護室等の設備や施設面積などが含まれます。要件を全て満たすためには開業前からの綿密な準備が必要ですので、要件をしっかり確認することが必要です。

認定・指定を受けたメディカルフィットネス施設は、厚生労働省が定めた基準をクリアしているため、利用者の信頼感や安心感につながります。

さらに、薬局・ドラッグストアの性質上、医療機関と提携していることや施設利用料が医療費控除の対象となることは、利用者に喜ばれる大きな要因です。要件などがクリアできるのであれば、ぜひ認定・指定の取得を検討していただきたいと思います。

 

健康増進施設・指定運動療法施設についてはこちらもご参照ください

メディカルフィットネス開業前に知っておきたい健康増進施設の認定制度

厚生労働大臣認定「健康増進施設」の認定規定が2022年4月1日より変更されました

 

まとめ

薬局・ドラッグストアのあり方や、そこで働く薬剤師の働き方には変化が求められています。

業界の競争が激化する中で、店舗存続のためにメディカルフィットネス施設を併設する考えもあるでしょう。

メディカルフィットネス施設で利用者に運動指導をおこなうことは、地方の健康課題解決の一助となる可能性も秘めています。薬局・ドラッグストアがメディカルフィットネス施設を併設することは、非常に意義があることです。

メディカルフィットネスナビでは、薬局・ドラッグストアがメディカルフィットネス施設を併設する際のお手伝いや、メディカルフィットネス施設で薬剤師はどのような活躍ができるかなどのアドバイスをおこなっています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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