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2024.10.09
今、注目を集める「メディカルフィットネス」 「メディカルフィットネス」の第一人者であり、当メディア「メディカルフィットネスナビ(メディナビ)」の…
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フィットネス業界の市場規模は2012年より少しづつ成長してきましたが、2018年には前年比4%増の約4,800億円、会員数にして前年比11%増の514万人(Fitness Business「日本のクラブ業界の現状と課題」より)となり、過去7年間で最大の伸びを示しました。そんな業界の中で特に増加しているのが小規模型のパーソナルジムですが、競合店がひしめく中でどう生き残っていくべきでしょうか。今、新しい事業スタイルとして注目されているのが、理学療法士ならではの医学的な知見や技術を取り入れたメディカルフィットネス施設です。ここでは理学療法士がメディカルフィットネス施設を営む意義やメリットなどをご紹介いたします。
Contents
ここ最近、「これからのビジネスモデルはパーソナルジムです」「パーソナルジムでも、より収益性があるのは1対複数のセミパーソナルジムです」と提唱するフィットネス経営コンサルタントが多いと聞きます。
しかし本来、経営には「事業をどう収益化するのか?」具体的な戦略を立てるために、「なぜ開業するのか」「なぜこの事業を続けるのか」といった経営者の想いをお客様にしっかりと伝えること、また、事業の目的を達成するためには何をすべきかきちんと言語化・見える化していくことが必要です。そしてフィットネス事業においては、強みを生かして競合店との圧倒的な差別化を図ることが重要です。メディカルフィットネス事業は、理学療法士という資格を活かした質の高いサービスの提供で、大きな差別化が可能だと言えるでしょう。
理学療法士は「理学療法の提供」を目的とした開業が認められていません。理学療法士及び作業療法士法において、理学療法士は「医師の指示の下に、理学療法を行うことを業とする者」とされているため、医師の指示なく理学療法を行うことができないのです。
では、理学療法士の技術と経験は医療機関のみでしか発揮できないのかというと、そんなことはありません。整体院や介護施設、そしてフィットネス施設など、医療ではなく介護やスポーツなどの事業分野において、理学療法士としてではなく一般的に起業するのと同じように会社を立ち上げることはできます。あくまでもフィットネストレーナーとして開業し、理学療法士資格は付加価値として活かすという考え方になります。
理学療法士がメディカルフィットネス施設を開業する意義は一体どこにあるのでしょう。
これまでは、フィットネス(体力づくり)を楽しむことによって、人々の交流が促進され、QOL(生活の質、人生の質)が維持向上されると言われてきました。しかし、フィットネスクラブの利用者の中には、身体の痛みなど不調を抱えたまま運動を続けている人が多い傾向にあります。また、「スタジオでのレッスンを思いっきりやりたいけれど膝や腰が痛くてできない」という声をよく耳にするように、運動を楽しむことができないため身体のケアを目的としてフィットネスクラブを利用する方も増えているといいます。
しかしフィットネス施設側には、気になる痛みや症状を和らげるためのエクササイズメニュー(膝痛体操、腰痛体操など)はあるものの、個人個人の症状に合わせて十分に対応することはマンパワー的に困難なため、痛みの解決につながらないことがほとんどです。では医療機関はというと、医療機関でのリハビリ日数には上限に期限が設けられているため、期限終了後にリハビリが受けられず 行き場を失う方が増えています。だからこそ、“リハビリを続けたいのにできる場所がない”というニーズに対応するための人材と施設が必要なのです。
その人材とは、フィットネスの個別性・安全性・有効性をしっかりと理解し、医学的な身体知識、技術を持つ者です。個別性とは個人の身体の状態を適切に把握し、目的(目標)に対して個々に適した方法で実施すること。安全性とは運動の強度や頻度、フォームなどにきちんと配慮することや、万が一怪我や症状の悪化が生じた場合に速やかな対応ができること。有効性とは医学的根拠に基づく運動指導により効果を生み出せること、またその効果を十分に個人にフィードバックできることです。
この個別性・安全性・有効性を理解し、専門的な視点からリハビリテーションプログラムを作成してアプローチできるのが国家資格を持つ「理学療法士」です。理学療法士が運営するメディカルフィットネス施設でしか提供できないサービス・価値があるのではと考えられます。
理学療法士が運営するメリットは何と言っても、医療現場を知っていることです。利用者がフィットネス施設に特に求めるものとして「医療資格を持ったスタッフが指導してくれること」「身体的効果」が挙げられます。これは特に、身体の痛みや症状を考慮した運動指導が求められているということ、信頼性や安心感といったサービス要因が重要ということだと言えるでしょう。
例えば膝の手術をしたお客様がリハビリ目的で来られた場合、今までどのような手術とリハビリをしてきたのかについて、理学療法士は理解できます。そして、医学的に見てどれくらいの期間でどこまで回復しそうか把握できるので、お客様は安心して運動を継続できます。また、「運動することで症状が悪化しないか」などの不安を抱えながら運動しているお客様も、あらゆる疾患の知識があってリスク要因も把握している理学療法士が指導・運営する施設に対して、信頼感と帰属性が高まります。このように、他にはない安心・信頼を提供できることが、理学療法士が運営するメディカルフィットネス施設の最大のメリットではないでしょうか。
厚生労働省管轄の施設認定制度については、施設基準を満たすことが可能であれば申請・取得を検討しても良いのですが、その分初期開業費用が大きくかかります。開業資金を抑えられるというパーソナル型施設の開業メリットを活かした経営計画が望まれます。
疾患について診断できるのは医師だけであるため、医師と連携できることは非常に大きなメリットと言えるでしょう。施設のお客様に何か身体的問題が生じた場合にスムーズに対応してもらえるだけでなく、「医療機関と連携した施設」として安心・安全の信頼度を高めることも可能です。しかしそのためには、施設側でもしっかりと医学的知識を持って対応することが必要です。
医療機関との連携で一番重要なのは、情報の共有だと言えます。お客様の同意のもと、画像所見、血液データ、服薬状況などの情報を医療機関と共有できるシステムが構築できると、よりスムーズな引き継ぎが可能です。また、「この状態は病院でリハビリ」「これならメディカルフィットネス施設でトレーニング」と、医療機関とメディカルフィットネス施設で引き受け目安の線引きをすることで、お客様も混乱することなく、安心して体づくりに取り組めます。
患者さんはまず医療機関を受診して、医師から病院でのリハビリとメディカルフィットネス施設の説明を受ける。明らかに病院でのリハビリが必要だと医師が判断した場合は病院で、そうでなければメディカルフィットネス施設での運動を促す。このような流れに対応できるのも、医療現場で医師のもと経験を積んだ理学療法士だからこそ可能なのではないでしょうか。
厚生労働大臣認定の健康増進施設や、厚生労働省指定の指定運動療法施設では、医療機関との情報共有や連携を行うために提携医との契約が必要になります。理学療法士が開業するパーソナル型のメディカルフィットネス施設においても同様に、健康増進施設の認定を受ける、受けないにかかわらず、医療機関と連携することが望まれます。
①開業する地域環境をリサーチして、自身のメディカルフィットネス施設が提供するサービスに合った整形外科医や内科医を探す。
(総合病院より診療所を開業している医師との連携の方がスムーズに進む傾向があります)
②医療機関とどのような連携をしたいか、施設利用者にも医療機関にもメリットがある内容を考え、明確にする。
③地域で医師を紹介してもらえるような人脈がある場合は、活用して医療機関にアプローチする。
④連携サービスと連携内容をもとに、メディカルフィットネス事業について提案・説明(プレゼンテーション)を行う。
⑤双方のメリットが十分理解できたら医療機関と実際に連携を開始。
すでに医療機関と連携可能な関係性ができている場合は、①・②・③を省略して④・⑤に進んでみましょう。
医師の方々も大変忙しく、お電話をしてもスタッフの方でアポイントを断られたりしてなかなか難しい場合もあるかと思います。また、連携の内容をどのように具体化すればよいか分からないという意見も良く聞かれます。メディカルフィットネスナビでは、医療連携のサポートも行っていますので、お気軽にご相談ください。
理学療法士が運営するメディカルフィットネス施設は、一般的なフィットネス施設やパーソナルジムとは違い、次のような特徴を持った運動プログラムを提供できます。
・身体の状態を専門的な検査で測定して動作・姿勢を分析し、医学的根拠に基づくトレーニングを個別に提供できる。
・高血圧、糖尿病などの生活習慣病に対しても病理学、生理学的な側面から考えたプログラムを提供できる。
・病気や怪我のあるお客様にも対応できて、医療機関からのリハビリ移行の受け皿となる。
圧倒的な専門的知識と指導技術で、個々のお客様に合わせた対応ができる。これが、医療現場を知る理学療法士だからこそできるメディカルフィットネスサービスです。
メディカルフィットネスナビでは、理学療法士の方が独立開業してメディカルフィットネスに取組む時に必要な運営方法や施設づくりを、成功事例をもとに幅広くサポートすることが可能です。お気軽にお問い合わせ下さい。
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